新卒で入社したばかりなのに、もう休職――。
誰にも言えず、不安や罪悪感でいっぱいになっていませんか?「自分だけがダメなのかも」と感じるかもしれませんが、実は同じ悩みを抱える人は多くいます。
この記事では、休職に至った背景や今後の選択肢、そして“ここからやり直す方法”をわかりやすく紹介します。
- 新卒で休職する人が増加中。不安は“あなた一人だけ”ではない
- 復職・退職・転職の選び方と、それぞれの判断軸を解説
- 休職中にやっておいてよかったこと&心が軽くなる行動例
- 再出発に成功した体験談とよくある悩み
復職・退職・転職…どう決めるべきか

新卒で休職に至った今、「この先どうすればいいのか」と毎日のように考えてしまいますよね。復職すべきか、それとも退職して転職すべきか…。
まず大前提として、焦って決断する必要はありません。休職は「心と体を休めるための時間」であり、急いで選んだ道が再び心身を追い込んでしまっては本末転倒です。
自分の回復状況を最優先で判断する
まず確認すべきは、自分の体調やメンタルの状態がどこまで回復しているかです。通院している場合は主治医の判断を、会社に復帰する選択肢があるなら産業医との面談も重要です。焦りや罪悪感から無理に復帰しても、再発のリスクが高まるだけなので、第三者の冷静な目を借りて判断しましょう。
会社に戻るなら「再発予防策」を確認する
もし復職を前向きに検討できるなら、職場の環境がどう変わるのかもチェックポイントです。たとえば時短勤務や業務の調整、配属先の変更など、会社側の配慮がどこまで可能か確認しておくことが、長く働き続けるためのカギになります。復職面談の際には、「何がつらかったのか」「どうすれば改善されるか」を伝えることも忘れずに。
退職も「逃げ」じゃない。再出発の準備を
「会社に戻るのが怖い」「気持ちが追いつかない」――そんなとき、退職という選択をすることも立派な“決断”です。むしろ、無理に続けて自信を失うよりも、早めに自分に合う環境を探す方が、キャリアにとってもプラスになります。現在では早期離職者を対象とした転職支援サービスも増えており、20代向けのハローワーク窓口やオンライン相談も利用しやすくなっています。
「新卒で休職は詰んだ」は思い込み
「新卒で休職=人生詰んだ」――そんなふうに思い込んでしまう気持ち、よくわかります。社会人としての一歩を踏み出してすぐにつまずくと、自分には社会でやっていく力がないのでは?と感じてしまいますよね。でもそれは、社会全体の“思い込み”に過ぎません。あなたの価値が、その一回の休職で決まることは決してありません。
同じ悩みを経験した人は多い
実は「新卒で休職した」経験を持つ人は、想像以上にたくさんいます。SNSやブログ、掲示板には、「自分も同じだった」という体験談が数多く投稿されており、「その後どう乗り越えたか」が共有されています。他人の経験を見ることで、「ひとりじゃない」という安心感が得られたり、「こういう選択肢もあるのか」と視野が広がることもあるはずです。
キャリアは“線”ではなく“面”で考える
人生やキャリアを“直線”で考えてしまうと、「休職=脱線」「失敗」という感覚にとらわれがちです。でも実際には、進み方は人それぞれ。休職や離職を経て、自分に合った働き方を見つける人も多くいます。「一度失敗したから終わり」ではなく、「ここからどう立て直すか」が、あなたの本当のキャリアになります。
休職中にやっておいてよかったこと

「休職中、何もしていないと不安になる…」そんな声を多く耳にします。たしかに、時間に余裕ができると「何かしなきゃ」と焦ってしまいがち。でも本来は「休むための時間」です。とはいえ、気持ちや体調が少し落ち着いてきたときに、できる範囲で行動することが、将来の安心につながることもあります。
自分を見つめ直す時間にする
まずは、いままで見落としていた自分自身に目を向けてみましょう。「どうして働くことがつらかったのか?」「どんなときに心が疲れやすいのか?」――そういった問いに向き合うことは、今後のキャリア選択や職場環境を見直すうえで大きなヒントになります。
また、自己分析ツールやキャリアカウンセリングを活用して、自分の強み・適性を再発見するのもおすすめです。資格取得の勉強や、読みたかった本をじっくり読むのも、無理のない範囲でやるなら立派な“前進”です。
社会とのつながりを意識する
心が疲れているときほど、社会から切り離された感覚に陥りやすいものです。そんなときは、少しずつ人との関わりを持つことも意識してみてください。友人や家族との何気ない会話、SNSでの発信や交流など、誰かと気軽に話すだけでも、孤独感はかなり軽減されます。
もし周囲に話しづらい場合は、匿名で参加できるオンラインコミュニティやチャット相談窓口なども活用できます。無理に外に出なくても「人とつながっている」という実感を持つことは、心のリハビリになります。
休職後、人生を立て直した人たちの声
「本当にこのままでも大丈夫だろうか」
「この経験をした自分に、未来はあるのだろうか」
そんな不安に押しつぶされそうになることもあると思います。でも、実際に新卒で休職を経験した人の中には、その後しっかりと人生を立て直し、満足のいく働き方を実現している人もたくさんいます。ここではその一部をご紹介します。
退職して「自分らしい働き方」を見つけたケース

最初の会社では適応障害を発症してしまい、休職からそのまま退職しました。復職は考えませんでした。無理に戻ってもまたつらくなる気がして…。でも転職支援サービスで福祉系の仕事を紹介してもらったら、驚くほど人間関係が穏やかで、仕事内容も自分に合っていました。いまは“毎日が平和で嬉しい”と心から思えます。あのつらい経験があったからこそ、“自分に合う職場”を選べるようになった気がします
復職して「人間関係の見直し」で改善したケース



うつ症状で一度休職したんですが、復職前に産業医や人事と面談して、配属先を変えてもらいました。以前の部署では孤立感が強くて正直つらかったけど、新しい部署では上司も同僚も理解があって、少しずつ自信を取り戻せました。『もう一度やってみよう』と思えたのは、話をしっかり聞いてくれた会社のおかげです。
営業職から内勤事務に転職した30代女性の声



営業で心身ともに限界を感じ、休職しました。しばらくは何も手につかず、ただ休むだけの毎日。でも、キャリアカウンセリングを受けて“人と関わるけど外回りはしない仕事”を選んだ結果、今は内勤事務として無理なく働けています。『環境を変えるだけでこんなに違うんだ』って驚いてます。
飲食業からIT業界へ転職した20代男性の声



飲食業で休職して、復職は無理だと感じて辞めました。そのあとプログラミングのスクールに通って、未経験からIT系の会社に転職。もちろん不安はあったけど、“ちゃんと準備すれば人生やり直せる”って実感しました。今は定時で帰れて、心に余裕が持てています。
このように、同じ会社に戻ったとしても、部署や人間関係が変わるだけで職場の印象は大きく変わります。休職したこと自体が転機になり、「働きやすさ」を重視して環境を見直すチャンスになったという声は少なくありません。
※出典:厚生労働省「令和5年度 若年者雇用実態調査」より/厚生労働省公式サイト
Q&A:新卒で休職中のよくある不安に答えます
新卒で休職中に感じる不安や疑問は、人にはなかなか聞けないことばかり。特に多く寄せられる悩みをまとめました。
- 休職中に転職活動してもいいの?
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基本的には可能ですが、無理のない範囲で。
体調が安定しており、「今すぐにでも環境を変えたい」と感じるなら、情報収集や面談だけでも始めてみてもOK。ただし、在職中に転職活動をする場合、会社側との就業規則や誠実義務にも注意が必要です。まずは自己分析や相談窓口の活用からスタートしてみましょう。 - 履歴書や面接でどう説明すればいい?
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正直に伝えつつ、ポジティブな学びを添えて。
たとえば「体調を崩してしまい、休職期間をいただきましたが、自分の働き方を見つめ直すきっかけになりました」といった伝え方がベター。嘘をつかず、かつ前向きな姿勢を示すことが大切です。企業側も誠実な説明には一定の理解を示す傾向があります。 - 家族や友人にどう説明すればいい?
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すべてを話す必要はありません。信頼できる言葉だけでOK。
「少し体調を崩して、しばらく休んでいるんだ」と簡単に伝えるだけでも十分です。無理にすべてを打ち明けようとすると、かえってストレスになることも。理解してくれる人とだけつながりを保つだけでも、気持ちが楽になります。 - もう社会に戻れない気がして怖い…
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その不安は“今の状態”がそう感じさせているだけ。
回復途中の段階では、どうしてもネガティブに考えがちです。でも、体が元気になってくると、自然と前向きな選択肢が見えてきます。今はまず、心と体を整えることを最優先に。「戻る場所」は、きっとあります。



一人で抱え込まないで。
もし今の会社に戻ることが不安なら、ハローワークや若者サポートステーションなど、若年層向けの公的支援も活用できます。無料で相談できる窓口も多くありますので、「誰かに話してみる」だけでも、きっと気持ちが軽くなるはずです。